管理者の承諾書無しで古物商許可を取得するには賃貸物件専門の行政書士に依頼することが必要
賃貸物件を営業所として古物営業許可を取得するには原則賃貸物件の管理者の承諾が必要です。
これは当事務所でも以前からアナウンスしていますし、古物商関係の申請を取り扱っている行政書士であればどこでもそう回答します。
しかしそれはあくまでも「実務上」です。
なぜ実務上管理者の承諾が必要となるのか?
古物営業許可を取得するために「賃貸物件管理者の承諾」が必要だと法律で定められているわけではありません。
古物営業法第四条の許可をしてはならない場合にも記載されていませんし、第五条の添付書類の内容にもなっていませんし、第六条の許可の取り消し基準の内容にもなっていません。
【参考:古物営業法】
第四条 公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。
第五条 第三条の規定による許可を受けようとする者は、その主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。この場合において、許可申請書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
第六条 公安委員会は、第三条の規定による許可を受けた者について、次に掲げるいずれかの事実が判明したときは、その許可を取り消すことができる。
それではなぜ「実務上」賃貸物件の大家さんや管理会社から承諾をもらわなければならないのでしょうか。
警察が言う理屈からするとこうです。
①賃貸物件は営業用と居住用という区分がある。
②個人が古物営業を行う営業所として申請する賃貸物件は居住用の場合がほとんどである。
③居住用であれば営業所として使用できないのだから管理者の承諾が必要となる。
これは理屈としては正しいのですが、法律的に考えると根本が間違っています。
しかし、一般市民へ説明する場合、このように言っておけば反論されることはまずないでしょう。
賃貸物件専門の行政書士に依頼するとなぜ許可が下りるのか?
当事務所へは「賃貸物件の管理者の承諾が必要と言われてしまった」、「大家さんから許可がもらえなかった」などのご相談が大変多くあります。
そもそも承諾書を求めてくる警察署は少なくなっていますが、「口頭でも承諾を取らないと許可はできませんよ」と言われてしまう方も増えています。
しかしそのような方達でも当事務所が申請することによって許可を取得できているのはなぜでしょう?
それは「説明」が行えるからです。
当事務所では賃貸物件で古物営業を行いたいと考えている方からの依頼を多く受けており、その経験や知識を蓄積しています。
そのため、賃貸物件を営業所として古物営業許可を取得することに関して、警察から説明を求められてもそれに応じることができるのです。
もちろん行政書士ですので交渉事は行いません。「何とかして承諾書無しで許可を出してください」などとお願いすることも一切ありません。
ただ法律の解釈を説明して警察署の古物商担当官の理解を得ているだけなのです。
特定行政書士というメリット
当事務所は特定行政書士の事務所ですので、その点でのメリットというものもあります。
特定行政書士は不服申立ての代理権がありますので、行政書士が適法に申請した件については不服申立て手続きを行うことができます。
ということは、古物商担当官としては古物営業許可をしなかった場合に不服申立てをされてしまう可能性があるというわけです。
こちらは法にのっとった申請をしているわけですから、古物商担当官としてもいたずらに許可をしないわけにはいきません。そのため特に揉めることもなく許可を取得できているのです。
そのため「こちらが普通に申請を行い、警察も普通に許可を下ろす」という当たり前のことが行えるわけです。
一般市民だとこうはいかない…?
もちろん一般市民の方でも法に沿った説明を行い、警察の理解を得ることは可能だと思います。
しかし、あまりにもハードルが高すぎます。
警察としても一般市民がそこまで古物営業許可申請に関して知識や経験があるとは思っていませんので、旧来どおり「賃貸物件の管理者の承諾をもらってこないと許可できませんよ」ということになってしまうのです。
また、賃貸物件を営業所として古物営業許可申請を行うノウハウというものはインターネットなどを探してもなかなか見つかりません。
この分野は古物営業許可を行っている専門家の中でもまだまだマイナーな論点なので、うまく説明できる者も少なく、ましてや一般的に知られていることでは決してないからです。
賃貸物件で古物営業許可を取得したい場合は専門の行政書士に依頼してしまうのが無難
ということで、賃貸物件で古物営業許可を取得したい場合は専門の行政書士に依頼してしまうのが最も無難であると言えます。
通常の古物営業許可申請自体は苦労をすれば何とか自分で行えるものであるかもしれませんが、賃貸物件に関してはそういった類のものではありません。
そもそもの許可自体を取れるか取れないかという問題になってしまうからです。
当事務所では、当事務所が申請可能と判断した件について、万が一許可を取得できなかった場合は報酬をいただいておりませんので、安心してご依頼ください。
※この記事はあくまでも「許可を取得する」ということを主眼に書かれておりますので、ご了承ください。
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