賃貸物件を営業所として古物営業許可申請を行うにはハードルがある
古物営業許可申請を行うためには「営業所」が必要となります。
営業所とは、実際に古物のやり取りを行う拠点であり、個人事業主の事務所や法人の本部とはまた別の考えになります。
個人で古物営業許可申請を行う場合にも営業所は必要となりますが、9割の人が自宅を営業所として申請しています(当事務所実績による)。
しかし、賃貸物件を自宅としている方の中には、申請が滞ってしまう場合があります。
それが警察による「賃貸物件の管理者の承諾書の要求」です。
どうしても賃貸物件の管理者の承諾書が貰えない場合の対応方法
警察から、賃貸物件の管理者の承諾書の提出を求められても、提出が不可能な場合がほとんどです。
なぜなら承諾書を書いてくれる管理会社はほとんど無いからです。
大家さんが直接管理する物件であれば承諾書をもらえる例は多くありますが、管理会社が会社名で承諾書を書いてくれたという実例はほとんど聞いたことがありません。
そのため、古物営業許可申請をしたくてもできない人が多くいるのですが、その場合考えられる方法は3つあります。
それらの方法について以下に述べていこうと思います。
①近くにある実家を営業所とする
一人暮らしをしている方の場合、近くに実家がある人も多いはずです。
その場合、自宅を営業所として申請できる可能性があります。
実際に上記の方法で申請が通ったこともありますが、これにはいくつかの条件があります。
実家と自宅の移動時間は「1時間〜2時間」まで?
まずは「実家と自宅の距離」です。
実家と自宅の移動時間が長すぎると警察から指摘が入ることがあります。
なぜなら営業所には実態が伴っていなければならないため「通える距離」であることが必要だからです。
もちろん長距離であっても実際に通うのであれば、その旨を伝えれば大丈夫です。実際には1時間~2時間以内で到達できる場所にあれば円滑に申請は進んでいます。
実際に営業所として使用しなければならない
離れた場所にある実家を営業所として申請する場合は、実際に使用しなければなりません。
実際に使用しないのに営業所として申請してしまえば虚偽の申請となってしまいます。
ただし営業所として使用するには、古物をやり取りする際であれば良いので、何もなくても毎日常駐していなければならないわけではありません。
②近くに倉庫を借りて営業所とする
これも実家の場合と同様に、距離の問題があります。
しかし距離の問題がクリアできれば、営業所として使用できる可能性があります。
倉庫はそもそも事業の目的のために使用するものであり、住居用ではありません。そのため古物営業のための承諾がもらえないということはないでしょう。
またある程度の広さがあれば、そこで事務作業なども行えます。
ただし実際に営業所として使用できるかどうかは形状や広さにより個別に判断されるものであるため、申請先の警察署に確認したほうが良いでしょう。
③承諾書無しで申請する
近くに営業所として使用できる物件が無い場合、管理者の承諾書無しで賃貸物件を営業所として申請するしかなくなります。
これについては都道府県や管轄の警察署によって対応が全く違うため、個人で申請するにはかなり骨を折ることになるでしょう。
実際に当事務所でも7割以上の方が賃貸物件を営業所として申請を行い、許可を得ていますが、この点についてのやり取りが最も苦労する点ではあります。
許可を断念する前にご相談を!
以上、賃貸物件に住まれている方が古物営業許可申請を行う場合の営業所のパターンについて説明しました。
どこにも営業所が見つからず、賃貸物件の管理者の承諾書も貰えなかった場合は申請自体を諦めなくてはならない場合もあります。
そうなると商売をすること自体ができなくなってしまいますので、諦める前に当事務所に一度ご相談ください。