古物営業許可申請は自分で行える!
古物営業許可申請は行政書士に依頼するのが当たり前とお考えの方もいるでしょう。
しかし古物営業許可申請は自分自身でも行うことができます。
法律家や専門家に依頼しなければいけないわけではありません。
「古物営業許可申請は自分でできる!」と豪語している方もいらっしゃるかと思いますが、それでも多くの方が行政書士に古物営業許可申請を依頼しているのはなぜでしょう。
今回は古物営業許可申請を自分で行った場合と行政書士に依頼した場合のコストの差について解説していきたいと思います。
行政書士に許可申請を依頼した場合のコスト
古物営業許可申請を行政書士に依頼する場合、どれくらいの費用がかかるでしょう。
申請書の提出までお願いする場合の費用の相場はおよそ30,000円から50,000円位でした(申請手数料除く)。
各行政書士の定める報酬は自由化されておりますので、値段の安い行政書士を探すのも一つの手かと思います。
行政書士に依頼する場合、自分では全く何をしなくても良いわけではありません。
申請書への署名や委任状への押印は必ず行わなくてはなりません。
また、行政書士事務所が来所を求めるところであれば出向かなければならないこともあるでしょう。
自分で申請を行う場合のコスト
一方自分で古物営業許可申請書の作成から提出までを行う場合、どのくらいのコストがかかるでしょう。
古物営業許可申請にかかる手数料は19,000円であり、これは行政書士に依頼しようが自分で申請しようが警察に支払わなければなりません。
また住民票の取得や市町村の身分証明書の発行にかかる手数料も同じです。
しかし、その他の費用の支払いはありません。
その差をどう考えるか?
では自分自身で古物営業許可申請を行う場合と行政書士に依頼する場合とのコストの差を考えてみましょう。
申請書作成
古物営業許可申請書の原本は、自分自身で入手することができます。
営業所が同都道府県であれば、最寄りの警察署でも入手できますし、インターネットからダウンロードすることもできます。
そして自分で申請書を記載する場合は、
①インターネットで調べる
②警察署に直接連絡して聞く
の2通りを併用することになるでしょう。
古物営業許可申請を何も調べずに一発で通すというのはなかなか至難の業です。
まずは警察署のHPを調べるのが良いと思いますが、警察署のHPに全てが載っているわけではありません。申請書の記載例まで載せてくれている都道府県警察HPもありますが、個人ごとに申請内容が異なるため、イレギュラーな事項はインターネットを用いて調べるしかありません。
それでも分からない場合は直接管轄の警察署に電話or来署して聞くこととなります。
それらを総合的に考えると、申請書の記載に要する時間は2時間〜4時間程度と見込まれます。
住民票等の取得
次は住民票等の取得です。
住民票は最寄りの役所等で取得することができますが、問題は身分証明書です。
これは本籍地の役所に請求することになりますが、本籍地が遠く離れている場合は簡単には入手することができません。
本籍地の役所まで足を運ぶか、郵送請求を行うことになります。
郵送請求の場合には、「定額小為替」というもので手数料を支払わなければなりません。
定額小為替は郵便局で購入する必要がありますので、郵便局の窓口(時間外窓口では販売していません)まで足を運ぶこととなります。
また郵送請求は市町村によって請求書の記載内容が違いますので、インターネットで調べる必要があります。郵送請求で書類を取り寄せる場合、一週間〜二週間程度かかります。
行政書士に依頼する場合も郵送請求にかかる期間は同じですが、自分で住民票等を収集する場合に比べて1時間〜2時間の手間が省けるでしょう。
履歴事項全部証明書(法人のみ)
法人の場合は履歴事項証明書も必要です。
これは法務局で入手できますが、近くに法務局がない場合は郵送請求(インターネット請求)することが必要です。
インターネット請求の場合には、サイトへの登録作業がありますので、オンラインシステムに登録していない人はその作業から始める必要があります。
申請書提出
申請書を警察に提出するという行程ですが、この行程を最もストレスに感じる人が多いでしょう。
警察署に行くのが慣れているという人はほとんどいません。免許の更新で行くことがあるかもしれませんが、古物営業許可申請は警察官が対応しますので、緊張してしまう人もいるはずです。
しかも警察署によって、また担当官によっても対応は180度違うことがありますので、こればかりは運としか言いようがありません。
完璧に書類を揃え、担当官からの質問にも完璧に答えられれば一回で済みますが、提出し直しや追加書類の提出を求められればもう一度窓口に行かなくてはならないこととなります。
提出に要する時間は移動時間を含めて2時間〜4時間程度を覚悟して置きましょう。
行政書士ならではの付加価値
さらに行政書士に依頼する場合は別のメリットがあります。
ただしこれは古物営業許可申請に慣れた行政書士の場合だけです。
例えば当事務所では、特に賃貸物件を営業所として申請を行う場合や、すでに売上を上げてしまっている場合の申請を多く取り扱っています。
また、古物営業許可申請を多く取り扱っているため、実務上の知識も常に蓄えています。
そのため、インターネットや書籍に載っていない知識を提供することができますし、ある程度例外的な事案にも対応することができます。
古物営業許可申請に慣れた行政書士に依頼することで、自分自身で申請することができなかった事案に関しても可能となる可能性が出てきます。これに関しては時間や費用に変えられないメリットとなります。
行政書士に依頼するか自分で行うかはケースバイケース
行政書士に依頼したほうが良いのか自分自身で行ったほうが良いのかは、本人の取り巻く環境によるところも大きいと思います。
自分自身で行ったほうが費用は下げられますが、代わりに時間と労力+αのコストがかかります。
インターネットなどで色々と調べたり、質問や申請のために仕事を休んだりすることが苦で無い方であれば自分で申請することに向いているかもしれませんが、家にいるまま申請が行えることにメリットを感じる人も多いはずです。
これから古物営業許可申請を行おうとお考えの方は、ご自身のケースがどのタイプの申請に向いているかを検討すると良いと思います。