古物商許可前の取引履歴は隠したほうが良いのか?
古物営業許可を取得する前に行った取引について、ご不安な方も多くいらっしゃると思います。
古物営業許可を取得する前に古物の取引を行っていた場合、ほとんどが無許可営業となるでしょう。
その後に思い直して許可を取得しようとしても、許可前の取引を調べられて逮捕されてしまうのでは?という不安が残り、なかなか許可申請にたどり着けない方もいると思います。
今回は、古物営業許可を取得(申請)する前に行ってしまった取引についてのお話をお伝えしていきたいと思います。
古物商許可の取得前の取引≒無許可営業
古物営業許可取得前の古物の取引が全て無許可営業となるわけではありません。
例えば自分が使っていた品物を売却した。一回だけリサイクルショップで購入した品物を転売して利益を得た。これらの行為は古物営業許可を取得していなくても無許可営業とはなりません。
しかし古物営業許可を取得しようとしている方のほとんどが、これらの範疇を超えています。
また、古物営業許可を取得しなければならないことを知らずに無許可営業を行っているケースもあります。
インターネットに出回っている情報には多くの嘘がありますから「○○の取引では許可がいらないと書いてあった」、「○円までは許可不要と書いてあった」などとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
しかし知らないで行っていた取引や古物営業の範疇にギリギリ入るくらいの取引でも、古物営業許可を取得していなければ無許可営業となってしまいます。
無許可営業はなぜわかってしまうのか?
それでは無許可営業はなぜわかってしまうのでしょうか。
個人で店舗から仕入れた物を店舗で売っている場合はなかなか外形的には分かりづらいと思います。
しかし、現在個人で古物営業を行っている方の多くはインターネットを活用しています。
メルカリやラクマなどのフリマアプリを用いたり、アマゾンで出品者登録をして個人ページから販売を行っている方がほとんどだと言えるでしょう。
その場合は古物営業を行っていると判別される可能性は高くなります。
そのため以下のような不安をお持ちの方が増えているのです。
古物営業許可の申請時はインターネットでの販売履歴は隠したほうが良い?
すでにインターネットを用いて古物営業を行ってしまっている方は、これから古物営業許可申請を行う際に「今まで行ってきた取引の履歴等を消したほうが良いのか?」ということで悩まれるかと思います。
ここでの「取引履歴等」には、「メルカリなどの過去の取引履歴」に加え「古物営業許可申請を行う前に掲載し始めた自分の商品」も含むこととします。
なぜ取引履歴等を消したいと思うのかというと、当然無許可営業が露呈してしまうからです。
警察などの見るべき人が見れば無許可営業が濃厚だということは分かってしまいますので、自分が申請した際の審査中に無許可営業を行っていたことが発覚してしまう可能性は十分あるわけです。
そのため、今までの販売履歴を消したほうが良いのではないかと考える方が多くいるのは当然だと思います。
結論は自由!ただし最低限のことは守るべき!
「古物営業許可申請を行う際に過去の販売履歴等は消したほうが良いのか?」
このことについて結論を言うと、「個人の判断」だと思います。
もちろん私のほうから隠蔽のような事を進めることはできませんので、できれば正直にそのままにして申請できれば良いと思います。
また、販売サイトによっては消すことのできない履歴もあります。その場合は当然履歴はそのままにして申請するほかありません。
ただし以下の「最低限のこと」は守るべきです。
それは「申請時に(古物営業法上の)古物の掲載は取り下げておくこと」です。
申請時にも古物の掲載をしたままにしておくと、「今まで許可が必要だったことを知らなかったが、許可が必要だと知って申請を行った」という理由も通じなくなります。
堂々と無許可営業を行っていることを露呈するのはさすがにマズいため、申請しなければならないことを知ったらすぐに掲載を取り下げて速やかに申請を行いましょう。
勇気を出して古物営業許可を申請しましょう
今まで無許可営業を行っていた方が、心機一転して古物営業許可を申請することには、不安が伴うことと思います。
それでも古物営業許可はとにかく早く取得していなければなりません。
「バレなそうだからいいや…」、「ほんの少しだからまだいいや…」などと思っているうちにどんどん規模と期間が増加していき、何かのきっかけで逮捕された時には罪が重くなってしまいます。
副業として行っている方は特に注意です。ほんの副業として行っていた無許可営業が警察に発覚することで、勤めていた会社に知られてしまい、本業であるサラリーマンをやめざるを得ないことにもなりかねません。
一度許可を取得してしまえば、真っ当に古物の販売ができるようになるので、後ろめたいまま営業を行っている時よりも気が楽になるでしょう。
当事務所では、無許可営業を行っていたり、賃貸物件などが弊害となっていたりして不安を持っている方の申請もサポートしておりますのでぜひご利用ください。