賃貸アパートや分譲マンションの管理者からの承諾書がもらえないと古物商許可申請はできない?
古物商許可申請にあたっては、賃貸アパートや分譲マンションの管理者からの承諾が必要です。
なぜ必要なのかと言うと、古物商の許可申請時に、提出先の警察署から求められることがあるからです。
そのため、原則古物商許可申請書の提出と同時に賃貸アパートや分譲マンションの管理者からの承諾書を提出することになります。
なぜ管理者からの承諾書が必要なのか?
古物商許可申請にあたっては、賃貸アパートや分譲マンションの管理者からの承諾書は法定の申請書類に当たりません。
それではなぜ古物商許可申請の際に警察が求めてくることがあるのでしょうか?
この理由については、埼玉県内のとある古物商担当官に聞いたことがあります。その際にはこんなことを言われました。
「管理人さんの承諾については法定されている訳ではないんですが、やっぱり古物営業をやっていくにあたって管理者に無断で行うことはトラブルのもとになりますし、あとから揉めることになってもこちらも困ってしまいますからねー。」
確かに古物商許可申請と使用場所の承諾は別の問題です。しかし、使用場所の許可が管理権原者から得られていないということになると「適正な営業所」ではないところで営業をすることを許可することになってしまいます。警察も建前上それを認めるわけにはいかないというところでしょうか。
管理者の承諾書は古物商許可を広めていくためには大きなハードルとなる
賃貸アパートや分譲マンションの管理者からの承諾は、古物商許可申請をしようとする者にとっては大きなハードルとなる場合があります。
個人で古物営業の希望がある方の中には、賃貸アパートや分譲マンションなどにお住まいのまま、その場所を営業所として使いたいと考えている方が多いからです。
しかしほとんどの集合住宅は「住居専用」のもの。「新しい生活様式」によりリモートワークが推奨されているこの時代にも、古くからのやり方を変えようとしているところは多くありません。
そのため、古物商の営業所として承諾をしてくれるところはあまり無いと言えるでしょう。
許可が得られないまま営業を続けて摘発されるという悪循環は警察も困るはず
しっかり許可を取って古物営業を行いたいと考えてはいるものの、管理者の承諾を得られないので申請をしないでいるうちに無許可営業が発覚ということになれば、誰も望まない悪循環となります。
許可を申請したいのにそのハードルが超えられずに無許可営業が増殖してしまうのは警察としても歯がゆいところでしょう(申請許可手数料の19,000円の収入も増えないでしょうし…)。
今後の集合住宅の管理会社や都道府県公安委員会の取り扱いが改善されるのを期待したいところです。
住んでいるアパート等から許可が取れなければ家族や親族の家を営業所とすれば良い?
自分が住んでいる集合住宅の管理者から承諾を取れない場合には、別の手段があります。
ご家族やご親族の住んでいる場所を営業所として申請するのです。
もちろんご家族やご親族の方の承諾が得られなければなりませんが、ご家族やご親族が一戸建て住宅にお住まいのであればその場所を営業所として申請することは可能です。
営業所として申請するわけですから、古物商許可申請の審査や近所で盗難事件があった場合に捜査の対象となることがあります。その点を理解していただき、営業所として申請させてもらうことも手段としては考えられます。
しかし営業の実態が無ければ架空の営業所となってしまいますので、注意が必要です。あまり遠方の地を営業所とすることは控えたほうが良いでしょう。
どうしても承諾が得られない場合は?
自分の住んでいる賃貸アパートや分譲マンションの管理者やオーナーが承諾をしてくれない、近くに家族や親族が住んでいる一戸建て住宅が無い。そのような場合に取れる手段は何でしょう。
そういった場合は、賃貸物件での古物商許可申請を専門的に扱う行政書士に相談をすると良いかもしれません。
その都道府県の古物商許可申請に関する知識もあるでしょうし、何らかの手法を取ってくれるかもしれません。
行政書士花村秋洋事務所でもご相談に応じることが可能です。
当事務所では、古物商許可を取得出来なかった場合、料金はいただいておりません。
申請を諦めてしまう前に、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
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