古物商の無許可営業を行っている者が警察に捕まってしまう基準は?
古物営業を行う場合、規模の大小に関わらず古物営業許可を取得することが必要です。
しかし、古物営業許可を取得しないままいわゆる「無許可営業」を行っている者は多くいます。
「許可なんて取らなくてもバレないだろう…」、「無許可営業をしている人なんて自分以外にもいるだろう…」と軽く考えているともしもの時に最悪の事態になりかねません。
とはいえ、どんな状況であれば警察から摘発を受けてしまうのか。今回は古物商の無許可営業で警察に捕まってしまう基準について考えていきたいと思います。
古物営業に関して警察から摘発を受けた件数
令和2年のデータを見ると、古物営業に関して警察から摘発を受けた件数は全国で1026人となっています。
この件数は行政指導および検挙の総数です。
身柄を拘束される逮捕、身柄を拘束されない書類送検、逮捕・書類送検にまで至らない行政指導を含んだ数となっています。
無許可営業に関しての行政指導や逮捕・書類送検数は明確に出されていませんので何とも言えませんが、許可無許可に関わらず警察のお世話になっている古物商は数多くいるということが分かります。
古物商の無許可営業で警察に捕まってしまう基準とは?
それでは無許可営業で警察に捕まってしまう基準とはどのようなものでしょう。
ここでは、古物商な無許可営業を行っていて、警察から検挙、行政指導を受けてしまう基準について考えていきたいと思います。
まずは明確な基準についてですが、これは警察独自の判断に委ねられるため、存在しません。
存在するとしてもそれは警察内部の基準によるものですので公表されることはありません。
それでは基準など存在しないのかと言うと、古物商の無許可営業の実態から想定することである程度の判断はできると考えます。
当事務所で考える古物商の無許可営業で警察に捕まってしまう基準とは以下のとおりです。
無許可営業の規模が大きい、期間が長い
これは重要な指標となると思います。
古物商の無許可営業の規模が大きかったり、無許可営業の期間が長かったりする場合には警察から重い処分を下される可能性が高くなると考えます。
なぜなら、警察としては規模の大きい無許可営業や期間の長い無許可営業を摘発することは大きな実績になるからです。
摘発が報道されることで社会的意義も認められるため、警察のメリットはより大きくなるでしょう。
また、無許可営業の規模や期間は処分の重さにも影響します。
古物営業法上の無許可営業は3年以下の懲役または100万円以下の罰金ですが、万が一起訴されることになっても全ての者が懲役刑を受けることは考えられません。無許可営業の内容によって重くなったり軽くなったりします。
そのため、摘発の有無や摘発後の処分についても無許可営業の規模や期間は重要な基準となるのです。
無許可営業が顧客に把握されているか否か
無許可営業であることが顧客に把握されているか否かは無許可営業の発覚に影響を及ぼします。
例えば、メルカリで古物商を行っている場合、取り扱っている物品が古物であっても古物営業法上の古物商かどうかは容易には判断できません。
なぜなら、「家庭での不用品を売却しているだけ」という場合も十分に考えられるからです。
家庭での不用品の売却は原則古物商にあたらないため、顧客としては「一般家庭の者」と判断されることが多いでしょう。
しかし、明らかに販売の量が多く、また仕入れを行っていることが明確にわかる場合はリスクが大きくなります。
そのリスクとは「顧客からの通報により無許可営業が発覚する」というものです。
理屈だけで考えてみれば、もし顧客が警察に通報してしまえば、警察が無許可営業の摘発に動く可能性は一段と高くなるでしょう。
そのため、多くの者に無許可営業であることが知られているといった状況は大変危険性が高いのです。
他の違反・違法行為をしているか
そもそも古物商の無許可営業は、「他の違反などから発覚してしまう」ということが多いものだと思います。
適正な(?)営業をしていれば無許可が発覚することがなくても、その他の違反行為から無許可営業が発覚してしまうと二重のリスクがかかります。
またその逆に、無許可営業の発覚からその他の違法行為が発覚してしまうことも多くあると思います。
無許可営業の摘発は非常に簡単なところがポイントです。
「古物を売ってるのに許可が無い」。それだけで逮捕が可能なのですから警察としても判断は簡単です。
まずは無許可営業の疑いで摘発し、その後にゆっくりと余罪について追求すれば良いのですから。
無許可営業摘発の基準はあいまい!できるだけ早く許可を取得しましょう
以上、古物商の無許可営業での逮捕に関しての基準についての説明をしましたが、明確なものは無いと考えて良いでしょう。
それよりも「あらゆるきっかけで摘発されることがある」といったイメージを持っていただくことが重要だと思います。
「無許可営業負のスパイラル」でもお話させていただきましたが、一旦無許可営業を始めてしまうとなかなかやめられない。「廃業or逮捕」の二択しか選択できなくなってしまうという恐ろしい結果が待っています。
古物営業許可取得の理想は営業開始前、最悪でも開始から期間が経っていないことです。
これらのタイミングを逃すともう犯罪者の域に踏み込むことは避けられないでしょう。
当事務所では、すでに古物営業を始めてしまった方からの申請依頼についても対応しております。できるだけ早く申請を行うためにも当事務所の申請代行をご利用ください。