※この記事は個人の考察や調査の結果であり、確実に逮捕されないことを保証するものではありません。
古物商許可申請を行うにあたり多くの人が直面する問題
現在、古物商許可をしっかりと取得して営業されている個人の方はあまり多くはないと言われています。
古物商許可無許可営業の罰則は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」ですが、売買の相手方とトラブルになったときに通報されたり、近隣で盗品に関する事件があった際に無許可営業が発覚してしまうというケースが多いようです。
「不安を持って中古品売買をするのは嫌だから、しっかりと許可をとって堂々とやりたい。」と思っている方も多いでしょうが、現在すでに中古品販売をしてしまっており、利益を上げてしまっている人は新たな不安が生じます。
「無許可営業をすでにしてしまっているのに古物商許可の申請をしたら逮捕されてしまうんじゃないの?」
当然道理としてはそうです。
【古物営業法】
第三条 前条第二項第一号に掲げる営業を営もうとする者は、営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)が所在する都道府県ごとに都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
2 前条第二項第二号に掲げる営業を営もうとする者は、古物市場が所在する都道府県ごとに公安委員会の許可を受けなければならない。
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者
古物営業法の条文に書いてあることを厳密に解すると、無許可営業とはっきりとわかってしまうのですから逮捕されてもおかしくないはずです。しかし実際はどうでしょうか?無許可営業を行ってしまっているのに後から古物商許可を申請すると逮捕されてしまうのでしょうか?以下に考察と調査の結果を記していきます。
まずは以前各警察署に私が質問して回った結果についての記事より。
【あわせて読みたい】後から古物商許可申請しても逮捕されない?5つの警察署に聞いてみました!
各警察署での回答はそれぞれ違いましたが、おおむねの内容は一致しているようです。
無許可営業の期間や規模による
「無許可営業の規模による」
といった話もありました。
例えば個人レベルでの売買を行っておりそれほど利益の額も多くない場合と、会社を興して中古車業で莫大な利益を上げていた場合では全く違うと思います。
個人レベルでの小規模事業の場合は早めに申請できればそれほど気にしなくても良いかもしれませんね。
古物商許可申請の推進
古物営業を行う者の多くが古物商許可を取ってくれることを警察も望んでいます。古物商許可を取得することは、警察が古物営業者を管理しやすくなるからです。
そのため、ちゃんと許可を取って営業をしたいと思って申請してきた者を逮捕することがあるでしょうか?
もしそんなことがニュースで流れたとしたら、すでに無許可で古物営業を行っている者は絶対に申請なんかしませんよね。逮捕されてしまうのですから。
そんなことになってしまうと古物商許可を申請してくれる人は激減し、逆に警察としても困ってしまうことになるでしょう。
ただし、やはり古物営業の規模によります。例えば、警察としては規模の大きな無許可営業を黙って見過ごすことはないでしょう。そのため、大きな規模で長年無許可営業を行ってきた業者であれば、申請せずに直ちに営業を止めたほうが安全でしょう。
担当課が違う
「こちらは手続き課でありますので、捜査課が考えることについてまではハッキリと言えませんね…。」
という話もありました。
当然そうですね。手続き課の方で勝手に逮捕なんて決めるわけにはいきませんからね。
これについては古物商許可担当課に聞くには限界があるのかもしれませんね。
【担当課で聞かれる事などについて説明しています】
具体的事例は「知らない」
5つの警察署の古物商担当課には「逮捕や罰せられた実例はあるのか」を聞きました。
全ての担当課からは「すでに営業を行っていてからの許可申請をしたことで逮捕された事例は知らない」でした。
これは個人的な推測になりますが、担当課レベルで「知らない」ということは、おそらくほとんど「ない」のではないでしょうか。
もちろん先ほど挙げた例のような「会社が莫大な利益を上げていた場合」などの明らかに悪質なケースでは、当然何らかの罰則を受けるとは思います。
しかし「個人で小規模の営業を行っていたが、しっかりと許可を取って営業したいと考えて申請をした。」そのことによって逮捕されてしまうケースはなかなか想定しづらいものがあります。
「正直者がバカを見る」社会となってしまうのは国策としてもよろしくないでしょう。
しかし再三言うように、規模が大きくなってしまったり、無許可営業の期間が長くなってしまった場合は難しくなってくるでしょう。
むしろ合法なことに気付いていない人も
「家にある不用品をフリマサイトで売って利益を上げていたけどだんだん慣れてきたので事業を拡大するため仕入れも行いたくて古物商許可を申請した。」
これは全くの合法です。無許可営業ではありません。
「家にある不用品をフリマサイトで売って利益を上げていた」部分についてはそもそも古物商許可を取得する必要なく行えることです。その後仕入れ等を行うために古物商許可を取得したいと考えているのですからそれは最も望ましい手順と言えるでしょう。
また、「試しに1~2回仕入れを行って販売したら利益がでることが分かったから継続して行いたいと思い、古物商許可を申請した。」
これも合法と判断される可能性が高いでしょう。古物商許可申請は、営業として行う意志が生じてからで構いません。1~2回の販売行為で営業とみなされる可能性は低いでしょう。そういった方は何の不安を持つことなく許可申請をすることができますね。
どちらにせよ、古物商許可申請の際には、通常通り申請をすれば特別な理由がない場合であればそのまま許可してもらえます。あえて「〇年間無許可営業をしてました」など申告しなくても良いでしょう。ただし、警察に追及された際には正直に言うことも良いかもしれませんね。
以上、すでに無許可営業をしてしまっている方がこれから古物商許可申請をする際の不安を少しでも取り除けるよう今回の記事を作成してみました。堂々と不安なく古物営業を行っていただくため、規模が大きくならないうちに古物営業許可を取得することをおすすめします。
※ご好評いただいておりました「すでに営業を行っている方の申請についての無料アドバイス」は相談数が多くなってしまったため、終了いたしました。申請をご依頼の方へのアドバイスは引き続き行っておりますのでご利用ください。